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2016年4月

2016年4月29日 (金)

電力自由化で原発を葬る・・・広瀬氏講演会より

 去る4/23、「浜岡原発 巨大地震と再稼働 そして電力自由化」と題する広瀬氏の講演が静岡労政会館で行われた。

 一般家庭向けの電力自由化は、4/1から始まった。同氏は、「原発を使わない電力会社、つまり新電力から電気を購入すれば、原発を葬ることができる」と述べた。

 電力会社以外の大企業が、次々に自家発電をはじめ、13年度には国内の総発電量の24.5%にも達している。実に1/4が自家発電によるものだ。もちろん、この電気は原発で発電したものではなく、主として、ガスと石炭により発電したものである。天然ガスを燃料としたコンバインドサイクル発電のエネルギー効率は実に6割にも達する。原発はエネルギーの3割しか電気にならず、7割は原子炉の冷却に使われ廃棄される。結果的に海水の温度を高め、環境を悪化しているのである。

 経産省の生産形態動向によれば、一般的エンジン発電機の生産量は14年度までの4年間で8,138万kw、実に100万kw級の原発81基にも相当する。

 LED等による省エネ技術の進歩により、13年度の国内の総発電量は10年度に比べて、789億kw・時(電気事業連合会のHPでは10年度の国内総発電量10,064億kw・時、13年度は9,377億kw・時)減少した。真夏のピーク時で比べると、14年度までの発電量の減少は100万kw級の原発25基分ものぼる。

 各電力会社から新電力への切り替えはどの程度か。九州電力の場合、15年11月時点で7,628件、109.5万kw。関西電力の場合、14年度時点で5,375件、265万kw。東京電力の場合、15年9月時点で880万kw。3社だけで、原発12.6基分が切り替わったことになる。博報堂の全国調査(2015年3月)によれば、家庭の消費者の64%が新電力への契約変更を望んでいる。

 3社の切り替え分である1,254万kwの総発電量に占める割合はどの程度か、(ものぐさ)が試算する。

 1,254万kwが80%の稼働率で運転した場合の年間の総発電量は1,254×0.8×24×365万kw・時=8.8×10の10乗kw・時(①)となる。国内総発電量は9,400億kw・時=9.4×10の11乗kw・時(②)となる。3社切り替え分の総発電量に占める割合は①÷②=9.4%(注1)にも達する。電力会社にとってはバカにならない量である。

 ここで、注意しなくてはいけないことがある。

・ 自前の発電所を持たない新電力は、電力商社にすぎないので、電力を調達するために、「原発を動かす電力会社」と提携する可能性がある。「登録電気事業者一覧」をネット検索すれば、新電力の一覧表が出てくる。業務提携先を確認することが必要である。

・ 自前の発電所を持っている企業は、東京ガス、大阪ガス、東邦ガス、西部ガス、JX日鉱日石エネルギー、エネット(東京ガス+大阪ガス+NTTファシリティー)、出光興産、東燃ゼネラル石油、昭和シェル石油、ノーリツ等である。

・ 自前の発電所を持っている企業でも、原発を動かしている電力会社と業務提携をしている場合もある。その場合、原発が再稼働すれば、原発で発電した電気を消費することになる。

・ 新電力の選択は、原発再稼働ノーの意思表示である。電気料金の高い、安いで決めるべきではない。電力が自由化されても、平均的な一般家庭の電気料金の減額は微々たるものである。

(注1) 4/30、報道は「自由化対象の契約総数6,200万世帯に占める新電力への切り替え件数は、74万件で1.2%に留まる」と伝えている。この件数は小さいのであろうか。アナリストは「新電力は電気の使用量が多い世帯がターゲット。件数は1%でも、使用量で見ればより多くを大手から奪った可能性がある」と、指摘している。家庭の消費者の64%が新電力への契約変更を望んでいるとも言われている。半分の世帯が新電力に切り替えたら、「原発を動かす電力会社」は真っ青。原発廃炉の道しかない。

 

 

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