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2016年6月22日 (水)

基準地震動は入倉式ではなく武村式で算出せよ。4.7倍の差

 大飯原発地震動の算出は過小評価。計算式は武村式で算出せよ。6/17の新聞に掲載された。

 元原子力規制委員長代理の島崎邦彦・東京大学名誉教授が、田中原子力規制委員長に基準地震動の計算に問題があり、過小評価の恐れがあるとして、別の計算方法で再計算するように求めた。基準地震動の算出に使う計算式の一つである「入倉・三宅式」は活断層の断面の傾きが垂直かそれに近い場合、地震の規模が他の計算式に比べて1/3~1/4になり、基準地震動を過小評価すると指摘した。

 4月に起きた熊本地震でも入倉式で試算した結果が観測データと一致せず計算式の問題点を再確認したと、同氏は述べる。

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 さて、2014.2.6に行われた「大飯原発裁判交流会」の資料に詳しい記述があったので、理解するままに記述をする。

 地震モーメント(M0)は、地震でずれる断面積と比例関係を持つ。すなわち、その断面積(S)が大きいほど地震モーメントは大きくなる。その結果、基準地震動も大きくなる。基準地震動の推定は原発の耐震設計をする上で極めて重要である。その地震モーメントの計算式が大甘であると指摘されたのだ。

 地震モーメント(M0)とモーメントマグニチュード(Mw)との関係は次のようになる。

         logM0=1.5Mw+9.1        (1式)

東日本大震災におけるモーメントマグニチュード(Mw)は9.0と発表された。少しくどいが説明する。断面積から地震モーメントが算出され、上記(1式)により、モーメントマグニチュードが推定される。推定されたモーメントマグニチュードに地盤特性を加味して、基準地震動が求まる。

 断面積(S)と地震モーメント(M0)との関係はほぼ比例関係にある。地震でずれる断面積が大きいほど地震モーメントは大きくなるという関係だ。断面積(S)を縦軸に、地震モーメント(M0)を横軸にとると、その関係を示す直線グラフは、武村式より三宅式が上に位置しているのだ。よって、断面が地震で崩壊した場合、武村式による地震モーメント(M0)は大きくなる。三宅式のほうが小さくなり、過小評価であると言う所以だ。基準地震動は武村式のほうが4.7倍大きく試算されている。

 断面積(S)と地震モーメント(M0)との関係は発生した場所における地震動の大きさから関係式が導きだされるのであるが、三宅式は世界で起きた地震から導かれたものであるのに対して、武村式は国内地震から導かれたものである。原子力規制委員会は基準地震動の算出を入倉式、津波高さの算出を武村式で行っている。なんとも理解できない2重基準である。

 島崎邦彦・東京大学名誉教授は原子力規制委員会に対し、再計算を依頼しており、6/21の新聞では、結果は2~4週間後に判明するという。注目に値する動きだ。

 大飯原発の基準地震動700ガル(現時点では856ガルで承認されている)の4.7倍は3290ガルにも相当する。入倉式による基準地震動による耐震設計では、格納容器の破壊が起き大破局に至ると言う。

<規制委員会の再計算結果 7/16>

(田中委員長) 再計算では最大で644ガルで、基準地震動の856ガルを下回った。

(島崎) 関電と同様の設定で計算すべきなのに、されていない。関電の計算結果に比べて約6割と過小評価になった。補正すべきだ。補正したうえで予測の「不確かさ」を加味すれば、結果は推定で最大1500ガル超になる。ストレステストで炉心冷却が確保できなくなる下限値として関電が示した1260ガルを上回る。

<規制委員会の再計算結果 7/21>

(田中委員長) 再計算のやり方に無理があった。拙速だった。能力不足だった。判断を白紙に戻すが、安全審査で了解した大飯原発の基準地震動は見直さない。「入倉・三宅式」を見直す理由は見つからず、同方式による算出は継続する。

(ものぐさ) 島崎が指摘したように、入倉式で試算した熊本地震結果が観測データと一致しない点について同委員長はどのように説明するのか。「入倉・三宅式」を見直す理由はここにある。国民に対する真摯な説明を放棄している。信頼性は地に落ちた。これで、再稼働するつもりか。裁判の大きな争点の一つだ。

(7/24、報道) 通常の審査では、安全性に余裕を持たせるため、計算で導いた値の一部を1.5倍にして評価するが、再計算はしていない。原子力規制庁は「無理を重ねて計算し、精度がない。どの程度余裕を加えるべきかわからない」と釈明。規制委員会には地震の専門家はいない。規制庁の報告を鵜呑みにした同委員会の能力にも疑問。専門家の意見を取り入れるべきだとの島崎の提言に対して、同委員長は「そう言う余裕はないし、やるべき立場にもない」と答えた。首をひねらざる姿勢だ。

 

 

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