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2017年1月27日 (金)

台湾 「脱原発法」可決

 1/11の報道によれば、台湾は2025年までに原発をゼロとすると言う。台湾最北端にある金山発電所と国聖(クオション)発電所は人口の密集する台北に30kmと近い。台湾最南端にある馬鞍山(マアンシャン)発電所は台湾第二の都市である高雄市の南80kmに位置している。その出力は金山発電所2基で127万kw、国聖発電所2基で197万kw、馬鞍山発電所2基で191万kwである。現在建設中の龍門(ルンメン)発電所の出力は2基で260万kwである。6基の原発がある台北、高雄間の距離は、僅か380km、台湾の総面積は35,980平方kmと近畿地方(京都、大阪、兵庫、滋賀、奈良、和歌山、三重)の33,122平方kmに近い。

 1736~2016年に発生したM6.5以上の台湾における地震は41回で、6.8年に1回の頻度で発生している。震度分布はM6.5~M7未満が15回、M7~M8未満が24回、M8以上が2回である。1947年以降の地震(M5.3以上)発生回数を見ると、10年間で2回、8回、3回、3回、5回、9回、11回と、近年になるほど増加の傾向にある。

 日本における地震発生頻度を見てみよう。1923~2016年に発生したM6.5以上の地震は423回で、1年あたり4.5回の頻度である。震度分布はM6.5~M7未満が287回、M7~M8未満が138回、M8以上が11回である。1943年以降の地震発生回数は、10年間で40回、29回、38回、35回、26回、42回、94回と、近年になるほど増加の傾向にある。

 日本における1年間当たりの地震発生回数4.5回に対し、台湾の発生回数は0.14回と極端に少ない。日本の総面積(378,000平方km)が台湾の10倍であることをを考慮しても、台湾のほうが発生回数は少ない。地震発生回数をみれば、日本こそ、もっと深刻に考えるべきであるのに。

 それでは、何故台湾は脱原発に踏み切ることができたのか。その理由を列挙する。赤字で日本の現状を記す。

・ 原発事故は「確率」の問題ではなく、一旦事故が発生すれば、その被害の大きさに耐えられないことを、現総統は福島原発事故から学んだ。そして脱原発に踏み切る強いリーダシップが現総統にはあった。

 国民は福島原発事故を実体験し、6年経過しても故郷に帰れない人が多数いる。福島原発の廃炉は40年で完了するとはとても思えない。国民は事故の悲惨さを知った。安倍首相は学ぶ能力が欠如しているようだ。それとも強いリーダシップが欠如しているのか。

・ 台湾には「原発族議員」がいなく、台湾電力は政治家に働きかける力が弱く、産業界の抵抗も強くない。

 原発族議員は自民党はもとより、民主党内にもいる。民主党を支援している連合は原発推進団体である。政・官・業の癒着構造が国家の利益を優先し、国民の安心・安全には無頓着である。

・ 2025年までに原発の寿命は40年に達する。

 原則40年で原発を廃炉する約束であったものを、原子力規制委員会は、原発寿命を60年にまで延長した。政・官・業の圧力に屈したのか。

・ 人口密度が高く、離島も少ないので「核のゴミ」の最終処分の目途が立たない。

 日本も同様。地震が多く、降水量が多く、地下水位が豊富で、活断層がいたる所にあるというのに、それでも最終処分場を造ろうとしている。10万年も安全に保管できると考えているのか。その感覚が理解できない。

・ 台湾の街角にある書店や喫茶店のいたる所に「反核」のポスターがある。

 国民の脱原発意識は60%を超しているのに、その行動力は台湾に劣る。

・ 知識人や中産階級の脱原発意識は3人に2人。

 テレビに代表されるマスコミの劣化は悲しい限りだ。

・ 国土面積の少ない台湾では「逃げ場がない」という恐怖感が強い。

 日本も同様。緊急避難計画がデタラメであるにも関わらず、原発は再稼働する。国も自治体も、原子力規制委員会も、再稼働の歯止めとなる立地自治体に再稼働の判断を丸投げしている。一旦事故が起きれば、立地自治体を超えてその被害は日本全土に及ぶというのに再稼働の判断は小さな自治体の判断で良しとしている。

 

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