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2017年7月 8日 (土)

浜岡原発訴訟 傍聴記(浜岡原発直下にA17活断層) その20

 7/6、静岡地方裁判所で行なわれた浜岡原発訴訟の第29回口頭弁論を傍聴した。前回に続き21回目の傍聴となる。

 午前10時5分までに裁判所に集合し、行列に並ぶ。定員オーバーした場合には抽選。一般傍聴席40人程度に対し、希望者は22人程度。全員が入廷できた。

 向かって左に原告、右が被告(中電)。原告側18人程度、被告側12人程度、記者は4人。10時30分開廷。

 原告準備書面32、33、34と被告準備書面28について、双方が口頭により要点を夫々15分程度主張した。

 原告側の主張に関しては、記者会見時に配布された同書面をもとに要点を記す。被告準備書面28について、中電は「5号機に侵入した海水の影響はない、4号機の水素爆発対策はウェブ上にある等」述べたが、ほとんど理解不能であった。原告準備書面33にある「福島原発事故による癌または癌の疑いのある人が184人に達し、これは100万人当たり593人」の文言は、原告側主張の「人格権」とどのような関係があるのかという質問が中電からあった。原告側からブーイングが発せられた。同書面は本裁判と関係のないものである、と中電は言いたいのであろう。原告側の河合弁護士は直ちに反論した。福島の子供たちの癌発症は、原告及びその子供たちの「人格権」に直結する。常識的には当たり前だが、中電はこのような屁理屈を弄する。

 閉廷は11時16分。その後に開かれた進行協議の場で、裁判長は原告準備書面32掲載の「浜岡原発直下の活断層」について強い関心を示したと、その後の記者会見で弁護士は明らかにした。

 次回、10/12、午後2時30分。

 次々回、1/11、午後4時。

 次次々回、3/22.

 以下、記者会見で配布された準備書面32の要点を述べる。

 フィリピン海プレートは北西方向に沈みこんでおり、そのプレートの側方圧力により、浜岡原発周辺の断層は上下に湾曲し波打つ。両手に挟んだ薄いプラスチック板が、両手からの圧力で湾曲する現象を思い浮かべてほしい。当然、その頂点や谷部の断層は亀裂が生じ、逆断層を形成する。これを褶曲(しゅうきょく)構造による断層という。この運動による亀裂は御前崎海岸(遠州灘側)で見ることができる。安政東海地震によりできたものであり、この時、岩盤は1.2m隆起している。側方圧力に垂直な面を向斜軸という。プラスチックを挟んだ両腕と理解しても良い。この向斜軸に平行するように断層が形成される。原発直近の白羽断層では6mの垂直変異が見られる。6万年前の海浜礫層で、活断層であることが確実視されている。

 御前崎周辺に見られる褶曲構造による断層は、西から「A18グループ」、「A17グループ」、「御前崎台地~御前崎南方沖の褶曲群」に大別される。いずれも向斜軸は南北に延びている。「A17グループ」は正に浜岡原発直下に存在する。中電は「A18グループ」、「御前崎台地~御前崎南方沖の褶曲群」を活断層と認めたが、浜岡原発直下の「A17グループ」は活断層と認めていなかった。認めたとたんに原発は廃炉となるからである。

 ところが、中電は「A17グループ」を活断層として認めることになる。時系列的に示す。

・ 原子力規制委員会の指摘を受け、平成28年6月17日第370回審査会合において、中電は14.1kmを「震源として考慮する活断層」と評価し、「A17断層」とした。「A17活断層」を構成する比木(地名)向斜軸は原発敷地内を南北に縦断している。地質研究者・塩坂邦雄氏は比木向斜軸に平行な逆断層を原発敷地境界から150m北で発見した。

・ さらに、平成28年11月4日第413回審査会合では、15.7mに延長した。

・ 平成29年2月17日第443回審査会合で、中電は4・5号機直下を南北に貫く断層を明らかにした。プレート運動による褶曲構造によって生成されたAー17活断層帯の一部である。

 同審査会合において、「A17断層」は、この断層に直角に走るH断層系(ものぐさ 浜岡原発 H断層系)に対して規模が小さいので、中電は「A17断層」を「小断層」と表記している。

 しかし、原告は反論する。比木断層系は褶曲構造により生成された断層であり、御前崎周辺の地殻変動として支配的な運動である。先にみたように、白羽断層は確認されている部分だけで長さ2.5km、垂直変位量は6mである。

 また、中電は、次のようにも言う。「A17断層」はH断層系により切られているので、「A17断層」はH断層系より古い。あたかも、H断層系のみが問題であるかのような表現を中電はしている。比木断層系は褶曲構造により生成されたものであり、フィリピン海プレートの側方圧力が続く限り、繰り返し比木断層系は活動を繰り返す。

 以上から見ると、中電は「A17断層」を「小断層」と言い繕い、「A17断層」はH断層系より古い」と言い繕うことくらいしか反論できないのである。浜岡原発は、「活断層の巣」の上に存在している。

 あえて言えば、H断層系について、中電は「8万年前以降」における活動はないと言っているが、「13万年前以降」においての活動は不明なのでH断層系も活断層に属する。

(追記) この断層に関して、毎日新聞は3/28、原子力規制委員会は「原発周辺にある「A-17断層」と呼ばれる断層の地質構造などを見学した。」 と、あっさり報道したのみである。なんとも、物足らない表現である。

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