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2018年4月14日 (土)

浜岡原発訴訟 傍聴記(液状化 テロ エネルギー政策 放射性廃棄物 甲状腺がん マイナー則) その23

 3/22、静岡地方裁判所で行なわれた浜岡原発訴訟の第32回口頭弁論を傍聴した。前回に続き24回目の傍聴となる。

 午前10時5分までに裁判所に集合し、行列に並ぶ。定員オーバーした場合には抽選。一般傍聴席40人程度に対し、希望者は18人程度。全員が入廷できた。

 向かって左に原告、右が被告(中電)。原告側15人程度、被告側15人程度、記者は4人。10時30分開廷。

 原告から準備書面36、37の説明あり。詳細は記者会見時に配布された同書面を要約する。原告の要求していた掘削穴の断層写真が中電より提示されたが、掘削穴底面の写真が1枚しかなく、原告は追加写真を要求した。掘削穴側面写真は多数提出された。褶曲構造を有するA17活断層(ものぐさ 浜岡原発訴訟 傍聴記(浜岡原発直下にA17活断層) その20)がこの断層写真に写っているのではではないかと原告は考えている。原発の廃炉を決定づける重要な写真の可能性がある。

 被告は、A17活断層について原子力規制委員会の審査を踏まえて反論すると述べた。

 次回 6/14 午後2時30分

 次々回 9/25 午前10時30分

 次次々回 12/4 午前10時30分

 準備書面36について記す。

 <液状化について 被告準備書面29への反論>

 原発敷地は山を削って作られた埋め立て地にあり、海岸線に向けてなだらかに傾斜している。盛り土により形成されている「砂丘堤防」は側方流動(注1)により崩れ去る可能性がある(ものぐさ 浜岡原発訴訟 傍聴記(浜岡原発の防波壁の脆弱性) その11)。兵庫県南部地震では、護岸から150mまで(著しい)側方流動の影響があった。

  原発直下のA17活断層に亀裂が生じ、側方流動が加われば、原発は壊滅的な損壊となる。

 原発敷地内における液状化や側方流動が発生した場合、ポンプ車等の機材の運搬が不可能となり、緊急事態に対応することができない。

 <テロ エネルギー政策 放射性廃棄物 甲状腺がん 被告準備書面30への反論>

 重火器で武装しているテロリストに対して、銃器を携行していない見張り人では侵入を阻止できない。規制委員会の考え方を引用して、極限状態に「柔軟な活動」を実施できる手順を備えることは合理的であると中電は言うが、意図的な航空機衝突に対応できるとはとても思えない。衝突の影響で核燃料が損壊し、広範囲に飛散し、炉心溶融が起きれば、原発敷地内で「柔軟な活動」のできる人員が生存しているかさえ疑問である。

 2060年には日本人口は9000万人(対25%減)を割り込み、製造工場は海外移転し、資源エネルギー庁は年1%の省エネ目標を掲げる。それらに応じて発電量も減少する。直近5年で実発電量は1割減少している。

 放射性廃棄物の地層処分先は決まっていない。「できると思えばできる」という発想は、勝てもしない太平洋戦争に突入した日本軍部の発想に酷似する。 

 小児甲状腺がんは100万人に1~2人(注2)と言われている。中電は100ミリシーベルト以下では、がん発症は「喫煙や飲酒」の影響に隠れてしまうと言うが、未成年者が「喫煙や飲酒」をするとは思えない。将来的に発症する可能性のあるがんを多数発見するというスクリーニング説を中電は主張するが、この説は、一般的に50倍程度である。福島原発事故では200~500倍の発症数である。

 準備書面37について記す。

<マイナー則>

 地震動による配管等の損傷の評価について、中電はマイナー則を採用している。

 マイナー則について説明する。配管に一定振幅(σ)を繰り返し加え、損傷に至った回数をNとする。繰り返し回数(n)がN未満の時は損傷はなく、Nに達して損傷する。D=n/Nを損傷度と言い、D=1で損傷する。このNは材料の物性や振幅(σ)により異なる。ペンチ等で針金を繰り返し折り曲げるイメージである。地震による振幅は一定ではなく、数多くの振幅(σ1、σ2、σ3・・・・)が配管に加わる。その振幅に対する繰り返し回数を(n1、n2、n3・・・)とし、各々の振幅に対し、事前に求めた損傷に至る回数を(N1、N2、N3・・・)とすれば、累積疲労損傷度は、D=n1/N1+n2/N2+n3/N3・・・となる。このDの値が1に達して配管の損傷が生じる。マイナー則において、疲労限度以下の振幅は(いかに多数回であっても)D値に加算されない。ここに、このマイナー則の過ちがある。鉄道車両の板車輪や板バネの寿命がマイナー則を用いて推定した寿命の1/100~1/1000になると報告されている。

 疲労限度以下の振幅を加えた「修正マイナー則」が、産業界では用いられている。

 中電は余震も考慮して、「修正マイナー則」で安全性を評価すべきである。東北地方太平洋沖地震で、3/11には震度4以上が54回、震度1以上は419回発生している。3/12には、各々17回、485回発生している。

(注1) 地盤流動現象の1つで、傾斜や段差のある地形で液状化現象が起きた際に、いわゆる泥水状になった地盤が水平方向に移動する現象をいう。基礎岩盤である相良層が海側に傾斜していることにより、地盤は水平方向に大きく変位する。

(注2) 福島原発事故による発症は100万人あたり593人にのぼる。

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